山小屋はイツカギに似ている

イツカギと靴 私は山に時々登ります。
近所の里山も登りますが、数日かけて山小屋に泊まりながらの登山もたまにします。

 

 

「人はなぜ山に登るのか」 「それはそこに山があるから」 などという言葉を聞きますが、私にはよくわかりません。 正直、たまに聞かれます。「なぜあなたは山に登るのですか?」と。

 

 

私を含め、多くの登山者は答えに悩みます。 悩むというより、自分の中にある答えをどう言葉にしようかと考えあぐねている、と私には感じます。 そして出てくる言葉は 「なんででしょうねぇ~」 という言葉になってしまい、結局答えは出てこないのです。

 

 

そんな私が山頂より好きな場所があります。
それが山小屋です。 山小屋は基本予約をしますが、予約をしなくても必ず泊まれます。 なぜならば、山小屋を訪れた人が遭難者であるかもしれず、山小屋は彼らを断ることはできないのです。 ですから、当然鍵がかけられることもなく、いつでも誰でもウエルカムなのが山小屋の基本姿勢です。

 

 

「それなら、旅館やホテルも同じじゃないか」と声が聞こえてきそうですが、 旅館やホテルと山小屋が決定的に違うところがあります。それは、隣に座ったら会話が自然と始まるところです。 「今日は上(山頂)に行ってきたんですか?」 「どのルートから来ました?」 「明日はどこに行きます?(山頂アタックか、下山か縦走で別の山に行くか…など)」 などと、会話が自然と始まります。 しばらく話すと、今まで登ってきた山の話になります。 これはテッパンです。 そして、お互いの登山歴をたたえ合ったり、次の登山の参考にしたりします。

 

 

私はいつも思うのです。 なぜこういうことが山小屋でできるのに、町の中ではできないのだろうか。

 

 

しかし、都会のカフェで隣の席になった人に「今日はこれから何をするんですか?」と聞かれたら、恐らくドン引きでしょう。私だって…です。怖いです。

 

 

しかし、そんな場所があってもいいじゃないかと思うのです。隣の人がいきなり話しかけてきたら怖い世の中では、楽しくないと思うのです。

 

 

いつでも誰でもウエルカムな場所。いつでも鍵は開いていて、誰かと誰かが他愛のない話をしている…。

 

 

イツカギがそんな場所になれたらいいな…と思いながら、筆をとる毎日です。

 

written by tomoco

tomoco

 

 

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